OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Kazuki Ozaki

尾崎 一輝

21歳
大学生
和歌山県出身
ゲイ

#003 2015年10月撮影

僕がカミングアウトできるようになったのは、「人種も、セクシュアリティもなにも関係ない。みんな仲間だ。仲良くしようぜ」とすべての差別を反対するパレードとそれを一緒に歩く仲間に出会えたから。

それまでゲイであることがすごく嫌で、普通になりたくて、でもなれなくて…。そんな自分を受け入れてくれる人なんて、誰もいないと思ってた。ずっとひとりで歩いていたつもりだった。だけどそのパレードには、色んな属性を越えて手を取り合ってる人がたくさんいて。知らない人たちだけど一緒に歩いている仲間がまわりにいるんだって気付いた。セクシュアリティを認められない自分だって、いい。生きていてよかったと思った。

ひとはセクシュアルマイノリティに限らず、様々なマイノリティ性を持って生きている。例えば僕は、うつ病で時々襲ってくる希死年慮という症状と戦いながら生きている。本当に苦しいもんで、いやになったりもする。
それでも生きていたいと思うのは、僕がひとりで生きているわけではないから。

「HIVを持っている人も、そうじゃない人も。ぼくらはもう、いっしょに生きている。We’re Already Living Together」。この言葉、僕は本当に大好きなんです。
HIVと共に生きるひとだけに限らず、性別やジェンダー、セクシュアリティがどうであろうと、依存症をもっているひとも、どこの人種、国籍であろうと、どんなマイノリティ性を持っていようがなかろうが、僕らはもう一緒に生きている。これを読んでいるあなたとも、一緒に僕は生きている。そのシンプルなことがうれしく幸せなのです。だからもっと生きていたい、生きていてほしいと思うのです。

カミングアウトは、本当に勇気がいることだと思う。 僕が初めてのとき心臓がバクバクして、汗が止まらず足は震え、前の日は眠れなかった。今でもそれは変わらない。
もし、しんどいときは思い出してほしい、あなたはひとりではないということ。僕たちは、もう一緒に生きている。一緒に歩いているということを。