〜複数の恋人と、一緒に生きていく〜

ある夏の暑い日、僕は「ポリアモリー」という生き方と、２人の恋人を親に紹介した。
「誠の選んだ人だったらどんな人でも歓迎するつもりだったけど、２人連れてくるとは想定外だったよ。」と淡々と父は言った。
蝉時雨だけが響く一瞬の沈黙の後、同じように淡々と、けれど、力強く父は続けた。
「誠の生き方は想定の範囲外だったけど、今説明してくれたから、そういう生き方があることが認識できた。父親として、君の生き方を応援することにもう不安はない。しっかりやりなさい。」
その言葉の温かさ、その日、父の認識だけではなく僕自身の世界が広がったことを、僕は一生、忘れない。

一人の人が知っていること、理解していることなんてそんなに多くない。
だからこそ、自分の知らないこと、自分と違うことに対して謙虚になれる。
あなたの告白は、あなたの大事な人の世界を、そしてあなた自身の世界を開くきっかけになる。
そう、強く信じている。