Tsuyoshi Kizu
木津 毅
31歳 |
ライター |
大阪府出身 |
ゲイ |
#003 2015年10月撮影
「世界は変えられる」と誰かが言うとき、
「そんなことできるはずない」と言うひとも必ず現れます。
その両軸にふらつきつつも、
僕が心惹かれてきたのはいつも、「変えられる」と言うひとのほうでした。
その、信じる力ゆえに。
そしていまわたしたちは、本当に世界が変わっていく様を目の当たりにしています。
世界中に散らばった小さな一人ひとりが、カミングアウトによってたしかに世界を変えている。
ひとりのカミングアウトが変える世界はとても小さなもので、
僕自身、そこには身近で大切な誰かに正直でありたいというささやかな動機があるだけです。
だけどいま、そのひとたちとの関係はとても居心地がよく、それはやはり「自由」だと感じられます。
その小さな「自由」の積み重なりが、自分ひとりだけのものではない大きな「自由」へと向かっていくのだと、最近はそんなふうに考えています。
カミングアウトとは、伝えようとする相手のことを信じることなのだと思います。
ひとを信頼するということ、何かを信じるということはとても勇気のいることで、だからいつだって難しい。
だけど、難しいことには挑む価値が必ずあると……「世界は変えられる」と言った先人たちは、わたしたちにそんなことを教えてくれているのではないでしょうか。