OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Yuki Nakanishi

中西 祐貴

22歳
大学生
大阪府出身
MTF

#003 2015年10月撮影

ぼくにとって、カミングアウトは、人生のそのものだ。

ぼくはトランスジェンダーだ。

23年前、男の子としてこの世に生まれた。ロボットアニメと怪獣とゲームが大好きな、至って普通の男の子だったように思う。

11年前、初めて学ランを着た。ぼくが学ランを着た姿は、みんなに祝福された。

5年前、6年間着続けた学ランを脱いだ。学ランを脱いで、好きな服を着れるようになった。

4年前、ぼくはトランスジェンダーだ。そう自覚した。どこか、後ろめたい気持ちがあった。でも、女として生きていきたいと強く願った。

ぼくがトランスジェンダーであることは、生き方が証明している。この間まで学ランを着ていた坊ちゃんが、スカートを履くようになった。髪を伸ばすようになった。化粧もしている。中西祐貴はトランスジェンダーだ。その変化は見てわかるものだった。近所の人にも、大学のクラスメイトにも、家族にも。周りの目がこわかった。恐ろしかった。

だけど、少しずつその恐怖も少しずつだけど、薄れてきた。ぼくには味方ができた。女として生きていくことを祝福されるようになった。

いま、ぼくのまわりにはぼくの生き方を祝福してくれる人がたくさんいる。だから、ぼくはいまここにいる。

ぼくはトランスジェンダーだ。

ぼくには夢があります。すべての人が、すべての性を祝福されること。すべての人が、好きな人を好きだと言えること。自分の望む性で生きることを祝福されること。それには、多くの勇気が必要です。一人一人の勇気が。

孤独感や恐怖、後ろめたさを感じることもあるかもしれません。それとも、今まさに感じているかもしれません。だけど、きっとあなたを祝福してくれる味方はいます。そして、その恐怖も共有できる仲間がたくさんいるはずです。

カミングアウト、それはあなたの人生の物語だと思います。時間をかけて、ゆっくりと育んでいくものです。自分らしく、ありのままを生きることで、きっといい物語ができるはずです。