Yuta Wakisaka
脇坂 優太
22歳 |
学生 |
滋賀県出身 |
ゲイ |
#003 2015年10月撮影
僕にとってのカミングアウトとは、自分を認め、自分に誇りを持つことだと感じています。
初めてカミングアウトしたのは高校2年生のとき。小学校の頃から好きだった幼なじみに、勇気を出して告白。「こいつになら絶対分かってくれる!」と直感で確信しつつも、人生でいちばんドキドキする瞬間でした。でも、そのとき彼が言ってくれた言葉は予想もせず、逆にこっちが驚かされました。
「普通って何かを考えさせられた。自分の価値観が変わったよ。」
カミングアウトするまで、僕は何の取り柄もない人間だと劣等感を感じていました。おまけに世間一般に生きにくいゲイだし…と考えていました。でも、自分のゲイとしての経験を話すことで、こんな僕でも人に影響を与えることができた。些細なことだけれど、嬉しかったんです。
カミングアウトしてからは、自分がゲイであることを不幸に思ったことはありません。この繋がりのおかげで、職業も住む場所も年齢も異なる人と交流することも今は難しくありません。生まれ変わってもゲイでいたいと思うくらいです。
でも、自分の性を伝えることのできない人には、未だに殻に閉じこもってしまう自分がいます。ゲイであることに頼っているのかもしれません。僕自身も、誰にでも自分らしく生きる方法を探しています。それはやはりカミングアウトなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
結局カミングアウトはひとつの選択肢でしかありません。でももしあなたがカミングアウトしたいと思ったなら、「あなたに分かってほしい!」じゃなく、自分の存在を認めるためにしてほしいな、と思います。きっとその思いはいつか相手に通じるはずです。
歩き出すタイミングは人それぞれ。遅すぎることも早すぎることも決してありません。そのときに、あなたが堂々と胸を張れますように。