Kazuya Morita
森田 和弥
43歳 |
主夫 |
埼玉県出身 |
ゲイ |
#007 2016年2月撮影
「僕は嘘つき?」
「ピンクは女の子の色?」
「男の子は自分のことを、ボクとか俺とか言わないといけないの?」
本当の自分を隠し、笑顔を浮かべていたけど、心の中では一人でずっと悩み苦しんできた。
こんなに苦しんでいるのに、どうしてみんな気づいてくれないのだろう?
大人になり結婚して子供も生まれた。
普通の幸せというものに憧れていたし、変われるんじゃないかと思っていた。
でも、周りからは幸せな家庭に見えるかもしれないけど、僕には普通の生活がとても苦しかった。
そして、いつしか鬱になって、毎日死んでしまいたくなって。
でも、ふとしたことがきっかけで、自分が発達障害でゲイであることに気付かされた。
子供の頃からずっと感じてきたことではあるけど、その事実をやっと認めることができた、そんな感覚かな。
もう自分を偽るのに疲れた、素直に自分らしく生きたい。
カミングアウトには覚悟が必要だと思った。
迷って迷って、不安と緊張で脇の下に大量の汗をかいたけど、勇気を出して踏み切った。
すると、大切な友人は、変わらず大切な友人として受け入れてくれた。
奥さんは、夫婦のことだからいろいろあるけど、受け止めてはくれた。
ずっと得体の知れない厚い雲に覆われて、雨の中、傘の下に自分の居場所も分からず、震えていたかのようだった。
それが、やっと晴れたような感覚。
心が軽くなったような、安心したような、そんな気がした。
自分が自分のままでいていいんだなって。
もちろん、全員がそんな風に受け入れてくれるとは思っていない。
けれど、僕と同じLGBTや発達障害、または他の何かの違いに悩み苦しみ、仮面をつけて精一杯生きている人に伝えたい。
「自分を思い切り生きよう。
あなたは大切な人、生きているだけで大切な価値がある人。
そして神様から、僕もあなたもとても愛されているんだよ。」
生まれてきてくれた男の子も僕と同じで、一緒に女の子に生まれたかったと号泣した日もあったのが嘘みたいになった。
読んでくれてありがとう。
みなさんの上に、たくさんの祝福がありますように。