OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Hiroki Kojima

児島 寿紀

38歳
自営業、アルバイト
愛知県出身
FTM / パンセクシュアル

#007 2016年2月撮影

19歳の時に見た新聞記事がきっかけで、自分が性同一性障害だと知りました。

日本人が、女性から男性への性転換手術を海外で受けた、という記事でした。

自覚する性別の「男」で生きることが夢ではないとわかって、勇気が沸いて、親や友人にカミングアウトをしました。

母に泣かれましたが、反対されても男で生きたいという思いの勢いで、治療のための病院をさがしました。

たくさんの病院に断られて、家裁では何度も不愉快なおもいをしたけれど、様々な縁のおかげで、岡山大学の病院で治療を受けることができて、手術を経て戸籍を変更することができました。

静養中の父の田舎は、旧習深い土地だったこともあり、どうせ無理だと決めつけた自分は、FtMである事の理解を求めませんでした。

そのために、父との最期のお別れができなかったことは、今でも残念に思います。

現在、見た目はすっかりおじさんになりましたが、女性として生まれたという事実のカミングアウトをする機会も、多々あります。

FtMの中にも様々なセクシャリティがあり、自分がパンセクシャルであるというカミングアウトも、必要であればします。当事者同士でも、勇気がいります。

でも、目の前のひとりに勇気をだして語る事で、壁がなくなる、そんな貴重な経験をさしてくれるこのセクシャリティを誇りに感じています。

僕にとってのカミングアウトは、失うものもあるかもしれないけど、より多くの幸せを得るための一生の作業です。

今回の撮影は、原点に戻るきっかけになりました。ありがとうございました。

これからカミングアウトする方々も、どうか自分と大切な人のために、「勇気」で道を開いていって下さい。味方は必ずいます。

僕のまわりでは、母や姉、妻や友人たちが長年の強い味方です。

この場をお借りして、支えてくれているみんなへ。

男でいれて、ほんとうに幸せです。ありがとう。