OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Aoi Sugita

杉田 葵

17
高校生 / ちっちゃいLGBTsアクティビスト
静岡県出身
FTX

#007 2016年2月撮影

初めて女性を好きになったのは、中学2年のときだった。相手は、中学校の数学の先生。

告白の返事はNOだったけれど、その先生は”同性を好きになる”という私の個性をとても大切に考えてくださって、この個性に対して肯定的なメッセージまで伝えてくださった。

こんなに素敵な先生と出会えたことと、『好き』という想いがあまりにも自然に湧いてきたこともあってか、幸いなことに、女性を好きになった自分に負い目を感じることはほとんど無かった。

中学3年の夏、家族にカミングアウトすることがどうしても必要になった。

休日の部活帰り、母と車で2人きりになったとき。

「私、女の人を好きになるの。性同一性障がいではなくて、レズビアンなの」

「何で自分がレズビアンってわかるの?」というのが母の答えだった。棘のある口調だったから、ついムキになって「じゃあ、お母さんは何で自分が異性愛者ってわかるの?」と言い返した。母は面倒になったのか、私の言葉を流し、「何言ってるのかよくわかんないけど、お父さんにはお母さんから言っとけばいい?」と言った。ちょうど家に到着したので、「うん」と言って車から降りた。

次の日、母に「昨日のことをお父さんに言ったら、『否定はしないけど理解もできない』って言ってたよ」と伝えられた。「否定されないだけマシだったかも」と思おうとしたけれど、心の奥のほうでは「本当は理解してほしかったな」と思ってしまう自分がいた。

高校1年の秋、性別に対する”違和感”に気付き、髪を切りたくなった。髪を切ることによって、『私』は『ぼく』になった。前から知っていたXジェンダーという言葉を調べていくうちに、「『ぼく』はXジェンダー。レズビアンじゃなかったんだ!」と自分をカテゴライズし直すことができた。

ぼくの心の性別は『中性』。女性と男性のどちらでもなく、半分ずつというわけでもない。

そして、女性を好きになる。