OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

Toru Kawahata

川畑 徹

20歳
大学生
静岡県出身
ゲイ

#007 2016年2月撮影

「ゲイなんだ」

最初に打ち明けたのは、バンドの仲間だった。

電話でそう打ち明けるまで一時間かかった。

それからだんだんと友達にカミングアウトし、

一人一人、名前をメモしていった。

最初は1人の名前だけだったメモも、今ではもう70人。

私にとって大切な勇気の欠片だ。

正直、私はカミングアウトという表現は好きではない。

この言葉はどうも

「悪い」ことを人に明かさなきゃいけない、

というイメージを抱かせる。

大学生になって、いろんな背景の人と出会った。

違う国籍の人、海外での経験がある人など。

もちろんゲイの人もいた。

その人と知り合って初めて、自分は一人じゃないと実感できた。

自分がいわゆるセクシュアル・マイノリティにあることは一切悪くない。

自分の個性の一つであるだけだ。

周りに合わせるのではなく、自分らしく生きることは間違いではないと確信した。

日本にいる友達にはゲイであることは割と話しやすい。

だが日本より性に対する偏見が強いブラジルではそういかない。

だから、親類に明かすのはどうしても怖さを感じてしまうときがある。

しかし、自分の姉たちに打ち明けたとき、

「あなたは生まれたときからそうだよ。自分を変える必要はない。」

と言われた。

そして今度、この写真を親に見せるつもりだ。

受け入れてもらうとかそういう問題じゃなく、正直な自分でありたいと思う。

カミングアウトできない人は多くいると思う。

するかしないかは個人の自由だ。

でもいつか私が

「男が好きだ」と言っても

不思議に思われることなく

みんなが受け入れてくれる日が来ることを期待している。