OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

Riku Goto

後藤 理玖

21歳
学生
静岡県出身
FTM

#007 2016年2月撮影

カミングアウトをして離れていった人達がいます。

でも、それ以上にたくさん僕の側で応援してくれる人達がいる事に気付きました。

そして、離れていった人の事を考えて後悔するより、側にいてくれる人を大切にしようと考えるようになりました。

孤独と闘っていた中学時代。

初めてカミングアウトしたには中学卒業の時でした。

優しい言葉と笑顔をくれた、担任の先生。

「あんた、おもしろい子だね!」と笑い飛ばしてくれた、塾の先生。

今でも鮮明に覚えています。孤独から一歩抜け出せた瞬間でした。

そして、ありのままを受け入れてくれる高校に出会いました。

たくさんの先生方と、友人に支えられながら過ごした時間は、僕の宝物です。

カミングアウトというのは、相手の事を大切に想うほど大きな壁になります。

だから、家族へのカミングアウトはやはり大変だと思います。

僕は、男子生徒として通っていた高校時代も、なかなか母と直接話す事は出来ませんでした。大学進学後、うつ病、PTSDの診断を受け入院生活を送ったりする中で、やっと自分の辛さを口にする事が出来ました。

感情的になって冷たい言葉を放ってしまった事もあります。

それでも、僕と向き合い一緒に歩んできてくれた母には感謝しています。

僕は、恋愛対象が自分でもはっきり分かっていません。

女性として生まれ、男性に戸籍変更をした。

そうすると自然に「彼女はいるの?」と質問されます。

以前は、自分の中で違和感を感じながらも、会話を続けていました。

でも今は「自分の恋愛対象が、必ずしも女性であるとは限らない」という事を伝えています。

少しずつ多様性を認め合える人の輪を広げていきたいと思っています。

カミングアウトをして、全て受け入れてもらえるという事はないかもしれません。

それでも勇気を振り絞ってカミングアウトをした時、きっと味方でいてくれる人はいます。

僕が支えてもらってきた様に、僕も誰かの支えでいられる様な人になりたいと思っています。

最後に。僕を支えてくださっている全ての人に感謝します。

そして、未だ見ぬこれから出会う人たちへ。新たな出会いを楽しみに、一緒に頑張りましょう。