HIDEKI KUBOTA
久保田 英樹
45歳 |
会社員 |
群馬県出身 |
ゲイ |
#017 2019年4月撮影
私は二十歳過ぎくらいで初めて同性の相方ができたのですが、そのときようやく自身がゲイであることを肯定できるようになりました。でもそのときはまだ他者に対し性的指向について論理的な説明ができるまでには至っていませんでした。
そんなある日、予期せず家族にゲイであることが知られてしまい、心の準備もできないまま家族との話し合いとなり、結果、物別れの状態となってしまいました。
しかしその後20年ほど経つなかで、理解しようとする家族の思い、自身の考え方の成熟、世の中の変化など複合的な要因が重なり、今では私の家族は相方を含めて食事や旅行をしてくれるまでになりました。
そんな私の相方は外国の出身です。言葉も通じない文化も異なる遠い異国の地にやってきて懸命に生きていた彼とある日私は出会いました。生まれ育った環境が大きく異なるのに驚くほど価値観の近い彼とは出会ってたった2週間で一緒に住み始めていました。本当は私と出会うまでは日本で得たすべてを整理して大切な人たちが待つ母国へ帰ろうと思っていたのに、その思いを断って私とこの日本で生きることを選んでくれました。
彼と共に生き、もうすぐ12年が経ちます。
彼とこれまで共に歩んでこられたことへの感謝と、これからもささやかに慎ましく一緒にいられるようにという思いを胸にこの撮影に臨みました。
今、彼はまだ公に顔を出すことができませんが、いつか二人で一緒にカミングアウトできる世の中になればと思っています。
カミングアウトでまず大切なのは自分の性的指向や性自認を自身で肯定できていることだと思います。それがまだ難しい人はインターネットを正しく活用して同じ境遇の人と知り合い、自分が一人ではないという安心感を持つことから一歩を踏み出すことができると思います。そして世の中には想像しているより遥かに多くの人たちが私たちを肯定してくれていることを知ってください。
あなたに幸せな未来が待っていますように。