OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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KAORU ENOMOTO

榎本 馨

45歳
ソフトウェアプログラムマネージャー
東京都出身
ゲイ

#017 2019年4月撮影

私は今までに、30年ほどかけて少しずつカミングアウトをかさねてきました。

その都度、ゲイである私をサポートしてくれる人が少しずつ増え、今ではパートナーの家族共々、自分の人生で大切な人たちと日々の楽しみ・喜びを共有できる土台を築くことができたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

私が初めてカミングアウトをしたのは高校生の時。二人の同級生へでした。

二人とも好意的に受け止めてくれて、ホッとしたのを覚えています。

それから年の近い姉へのカミングアウト。

ドキドキしていたこちらの気持ちをよそに、「ふーん、それで?」と何事もなかったように返答してくれたのは、姉の優しさだったと思います。

職場でカミングアウトをしたのは数年前。

転職をきっかけに、新しい職場では最初から打ち明けようと決めました。

ストレートであることが前提で話が進んでしまう前に、「彼女はいるの?」という質問に「彼女はいないけど、ゲイなので彼氏がいます」と答えてから、一気に肩の荷が降りました。

この職場ではもう隠す必要がないんだ、と。

それからは会社のホリデーパーティにパートナーと出席したり、上司夫婦がプライドパレードで一緒に歩いてくれたりしました。

長年ゲイであることが暗黙の了解だった母へもはっきりとカミングアウトし、「あなたが幸せなことが一番」と言ってもらえるまでになりました。

ひとりひとり、何年もかけて重ねてきたカミングアウトで、今ではゲイである自分を受け入れてくれる人たちに囲まれて暮らせています。

これからも新しく会う人たちへカミングアウトを繰り返していくことになりますが、恐れることなくカミングアウトしていけるのは今まで受け入れてくれた人たちがいるからだと思います。