OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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TOMOMI WAKOU

若生 友見

32歳
ブックアーティスト
宮城県出身
FTX

#017 2019年4月撮影

物心ついたころには「スカートは嫌だ」と思っていました。
女の子たちのおままごとに混ざる気にはまったくなれず、男の子たちと一緒に昇竜拳やかめはめ波で戦うのも嫌で、絵本を読んだり絵を描いて過ごしていた幼稚園時代でした。

女らしさや男らしさは時代や場所で変わってしまう。男性がスカートをはく文化だってある。ジェンダーってなんなんだろう。誰が決めたんだろう。
考えても考えても答えは出ません。今もわからない。けど、私にとって居心地のいいファッションや働き方、暮らし方、人との付き合い方や好きなものの輪郭が、30年近くかかってだんだんはっきりしてきました。そしてそれが自分にとっての正解なんだと思えたら急に楽になりました。自分にとっては性別へのこだわりよりも重要なものがある。そうやって自分の人生を振り返ったとき、今まで何も間違ってなかったと思えるようになったんです。
私は今でもスカートをはく気にはなれませんが、やっと化粧に興味を持てるようになったし、爪に色も塗ります。それは女性らしくあるためではなく、自分が気分よく暮らすための技です。

正直、自分にとってカミングアウトという言葉が相応しいのかよくわかりません。私自身は今までもこれからも何も変わらないのだから。ただ、これを読んでくれた誰かの人生が少しでも楽なほうに変化したとき、私のカミングアウトは初めて意味のあるものになると思っています。
女でありたい人も、男でありたい人も、カテゴライズされると落ち着かない人も、あなたの人生をあなたの手で見つけてほしい。あまり簡単なことではないかもしれませんが、あなたの可能性をあなたが一番に信じてあげてほしいと心から思います。