OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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MIARI IMAI

今井 美亜里 (右)

34歳
販売員
新潟県出身
Xジェンダー

#017 2019年4月撮影

18歳の時、専門学校に行くために、上京。
初めてのカミングアウトはその専門学校の同級生でした。
小さい頃から女性が恋愛対象でしたが、田舎育ちで、生徒数も少ない学生生活を地元で送っていた私は、周りが男の子に夢中になっている中、嫌われる事を恐れ、1人ぼっちになる事を恐れて、本当の自分を見せる勇気がありませんでした。
狭い世界です、家族にも迷惑がかかるんじゃないかという不安もありました。
上京して専門学校に通うようになり、仲間達と過ごす中、それぞれ地方から上京してきて、方言も違うし、生きてきた環境も、性格も違う。
音楽の専門学校という事もあり、みんな個性があり、自分を出してくるんです!笑
なので、私の初めてのカミングアウトは割とさらっと言えました!笑
カミングアウト後は、実は私も女の子と付き合ってたんだよねーって子もいたり、仲間内では特に偏見を感じませんでした。
今では職場の上司や同僚にも、家族にもパートナーの佳を紹介していますし、カミングアウトが出来る事に喜びを感じています。
家族や、周りの方々には感謝してもしてもしきれません。
カミングアウトは私にとって、自分自身を認め、自分らしく生きることであり、もちろん勇気のいる事でもありますが、大切なパートナーを紹介出来る幸せな事でもあります。
以前に比べるとカミングアウトがしやすい時代になったのではないかと思いますが、これからもっと1人でも多くの方が自分らしく、ありのままの自分でいられるように、それが当たり前であるように、そう願います。

KEI KONDO

近藤 佳 (左)

33歳
自営業
東京都出身
パンセクシュアル

#017 2019年4月撮影

カミングアウトという言葉が初めて私の人生において必要性を持ったのは、父親に今のパートナーを紹介する時でした。私は昔からアイドルの方達に興味がなく、QueenやCyndi Lauperを聴いていたり、竹宮惠子先生や萩尾望都先生のジェンダーレスな漫画を読んでいたので、学校ではかなり浮いていたと思います。個性的な魅力に惹かれる性分なのは昔から変わっていないんだと、今考えると納得します。私にとって今のパートナーがはじめての同性ですが、彼女への気持ちが真剣になったころ、同じジェンダーでどうSEXをするのか、それだけが疑問としてはありましたが、恋愛をすること自体には何も不自然なことはありませんでした。LGBT、世間的にはそういうカテゴリーなんでしょうが、実際自分自身そういう意識は全くなく、単純に恋した相手と真剣に交際している、ただそれだけの事。でも、今まで結婚願望の無かった私には、生涯を共にするとなると、家族に紹介するという当たり前の事実に直面し、その時初めて「カミングアウトする」につながったわけです。同時に、親が喜んでくれたとしても、周りが私の親に何を言うのか、傷つくことを言うのか、その負担にどう責任を取れるのか、何も悪いことをしていないのに、心から愛し合える相手を見つけただけなのに、不思議と加害者の気分を覚えました。
70を過ぎた父親が、心から祝福をしてくれて、何とも広い心で私たちを受け入れてくれた日を私は忘れないと思います。その日から彼女を無条件に家族として受け入れてくれた家族、私には一生かけても返せないと思います。カミングアウトなんて悪い事してるみたいな言い方は正直嫌いです。それぞれの生き方があるんだから、それでいいんだという時代が来ることが必然なんだと、私は思います。