私がカミングアウトしたのは中学生の時でした。
体育の時間に男子だけ柔道をするのが辛くて、わざと柔道着を忘れたりして。母が先生に呼び出されたのが発端でした。
その頃から母が一番の理解者でした。教育委員会に掛け合って女子用の制服で登校できるようになったのが中学三年生の時。
校長先生が朝礼で『いろいろな人がいる』というテーマでお話しをして、その後登校しました。もちろん、否定的なクラスメートや先生もいましたし嫌がらせも受けました。
定時制高校に進学し女子バレーボール部に入部して女子選手として大会にも出場しました。先生方は生徒を理解しようとする気持ちが伝わってくる人たちでした。
親友もできたし女子トークもいっぱいできた。修学旅行も性別適合手術前だったのに女子部屋で参加できました。
兄や祖父母、叔母夫婦も普通に受け入れてくれて、私は環境に恵まれていたんですね。
祖母はピンクの通園バッグを買ってくれたし、叔母もかわいいトレーナーをプレゼントしてくれました。中でも母がいつも味方でいてくれたことで、たくさんのツライことを乗り越えてこられた。

でも、環境は人それぞれです。
カミングアウトしたから、誰でもが人生バラ色になるわけではないし、もしかしたら、より大変なことがあるかもしれない。
でもカミングアウトしなければ本当の自分ではいられない。応援してくれる人も現れない。
無責任に背中を押すことはできないけど、自分がどんな人生を送りたいのか、どんな友人を得たいのか、よく考えて勇気を持って行動してください。