OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Tadashi Hirohashi

廣橋 正

46歳
ART DIRECTOR
東京都出身
ゲイ

#001 2015年3月撮影

10年くらい前だろうか、近くにいる新入社員とランチに行った時に突然彼が切り出した。「あのー、実は僕には妹というか弟がいて、生まれた時は女の子だったんですけど性同一性障害というやつで、小さい時から自傷行為や自殺未遂を繰り返して、その度に家族中みんなが大変な思いをしてきたんです…」

その時、なぜ僕にそんな弟さんの話をしてくるんだろう?今、彼に僕がゲイであると言うべきだろうか…そう迷いながら、結局僕は言い出すことが出来なかった。でも彼は僕に、なかなか人には言えないような話を打ち明けてくれたのだ。

その後しばらくして、今度は同僚の女性と晩ご飯に行った時に彼女が家族の話をはじめた。「弟がロスにいるんですけど、うちの弟ゲイなんですよ…恋人もいてふたりで楽しそうに暮らしているんですけど…」

もはや僕に迷いはなかった。「あ…実は…僕もゲイなんだ…」さらりと言う僕に彼女は、「なんだ!うちの弟に会わせたいと思ってたんですよ!」と言った。(あれ?どういうこと?)

家族、学校、職場、みんなそれぞれ置かれている状況は違う。だから、みんなにカミングアウトを勧めるつもりはない。

でもこの先、「あ、いま、この人なら言ってもいいかな…」と思える瞬間が僕のように訪れるかもしれない。その時、もしほんの少し勇気を持てたら、その人にだけ打ち明けてみてはどうだろうか。

そしてたとえカミングアウト出来なかったとしても、あなたは決してひとりではない。僕たちはここにこうしているし、いつか、そのままのあなたを受け入れてくれる仲間たちや、そのままのあなたを愛してくれる人が必ず現れるからだ。