OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Yu Ishizuka

イシヅカ ユウ

23歳
モデル
静岡県出身
MtF

#001 2015年3月撮影

私はMtFで、高校生の頃は体が男性であるということを大半の生徒には隠して、女性として学校に通っていた。その中で、私にとってのカミングアウトといえば、心は女性であるということを言う時よりも、体が男性であるということを知らない人に対してすることの方が大半であった(今では特に隠してはいないけど、やはりそちらの方がほとんどだ)。

高校の時の友人に初めてそのことを話したのは、もう高校を卒業して随分経ってからのことだった。ある時、どんなタイミングだったのかもう忘れてしまったが、頑なに体が男性であることを隠していたのに突然ふと知っている人みんなに話したくなった。何かしらの心にあったつかえが、年齢を経て取れたのだと思う。そしてある人には電話で、ある人には直接会って、またSNSでも、そのことを話し、書き込んだ。大変な勇気だったと今では思う。SNSでの反応が怖かった。テーブルの向かい側の、また電話の向うの沈黙が怖かった。しかし返ってきた反応は全てが温かく、優しかった。気付いていた人もいたし、知らなかった!とびっくりしていた人もいたけれど、その誰もが今でも大切な友人で居続けてくれている。

カミングアウトという言葉はなんだか、仰々しくて苦手だけれど、私はみんなに自分のことを話してよかったと思っているし、初めて会った人にもはっきり話すようにしている。そこからもっと自分に興味を持ってくれる人がたくさんいるかもしれないし、自分のパーソナルの一つなのだからそれは少しも悪いことではない、と私は考えている。

何よりも当事者、そしてそうでない人全員に考えて欲しい、セクシュアル・マイノリティ(という言葉も実はあまり好きではない)は、隠さなくてはいけないような悪いことなのか、コソコソしていなくてはいけないようなことなのか、ということ。私は決してそうは思わない。理解が進んでいると言われている現代の社会だけれど、それを隠して生きなくてはならない人がたくさんいること、これからもっとたくさんの人と考えていきたい。