YU KIMURA
木村 遊
40歳 |
お母さん |
埼玉県出身 |
FTX・パンセクシュアル |
#017 2019年4月撮影
私の性自認は「3割女性。6割女性ではない性(男性でもない)。あとの1割はまだよくわからない」という感じです。
男じゃないから女だ。という、消去法的な性自認に不安が募り、もう少し女性らしくしてみようと、髪を伸ばし、化粧をし、スカートを履いてみたこともありましたが、しっくりとはきませんでした。
私には夫がいます。
子どもも2人います。
「妻、母」という肩書きでカミングアウトをすることは本当に悩みました。
夫が愛想を尽かして離れてしまうかもしれないとか、子どもが私のせいで嫌な思いをしたらどうしようとか…。
夫は、すんなりと受け入れてくれたとは言い難いけれど、理解しようと努めてくれている姿にはありがたい気持ちと、申し訳ないという気持ち。
子どもたちに、私の話をしたら、驚いてはいたけど「そうなんだね」と笑ってくれました。
ただ、私がカミングアウトするせいで、あなたたちが嫌な思いをするかもしれない。と伝えると、小学生になったばかりの息子は、考え、言葉を選びながら「ボクは、そういうの、気にしないから、大丈夫!」と言ってくれました。
「私はワタシでしょ?」と。
その言葉を聞いて、ありがたいやら、嬉しいやら、なんだか情けないやらで涙が出てきました。
すると小さな娘が慌てて私のところへ飛んできて、自分のパジャマの袖で私の涙を拭い「ママ、大好き!」と笑顔でほっぺにキスしてくれました。
息子もしがみついてきて「えへへー」と嬉しそうに抱きしめてくれました。
良い事ばかりじゃないかもしれない。これから辛い事がやってくるかもしれない。
だけど、このカミングアウトは、ずっとずっと大事にしたいと思います。
妻だって、私はワタシ。
母だって、私はワタシ。
私が自分らしく生きることで、子どもたちが自分らしく生きて良いんだと、自分を大切に出来る人に育ってくれることを願うばかりです。