OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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HARUKA MIYATA

宮田 悠

31歳
会社員
神奈川県出身
FTM

#009 2016年4月撮影

私にとってのカミングアウトは、相手にOKを出してもらうものではなく、自分にOKを出すこと。

妹から「わかった」とあっさり言われ、「ねえちゃん」だった呼称が「悠」に変わり、驚きました。

学生時代、友人にカミングアウトをした時、受け入れてくれた人の数を数えて安堵しながらも不安を募らせることがありました。

初めて就職した会社で、「何を配慮したら良いか?」と聞かれた時に出てきたことは「トイレは出来れば男性用を使用したい」「社員旅行があるならば、入浴時に配慮してほしい」の2つだけ。「トイレは男性用を使用してもよい」「社員旅行はない」とあっさり解決。

現在勤務している会社で、「何の問題もありません」「カミングアウトをした方が働きやすければすればよいし、しない方が良ければしなくてもよい。どちらでも好きなように決めて構わないが、どちらにしてもサポートします」と回答。

そこで気付いたのは、他者から受け入れられることを求めながら、いざ相手が受け入れてくれた時には違和感があり、相手よりも自身が受け入れられていなかったということ。

確かに自分にとって大切な核部分ではあるけれど、全てではない。血液型と同じ自分を構成している要素の一つにすぎないと感じながら、自身が受け入れていなかったことに驚きました。

カミングアウトは必ずしなければいけないものではありません。

大切なのは自分自身がどうしたいか。

私はトランスジェンダーとして生まれたことで、かけがえのない仲間と出会いました。

トコトン自分と向き合い、自分自身にOKを出せるようになった時、人としてどう在りたいか、今回の人生はどう生きようかと考えるようになりました。

この時代に日本に生まれ、先人の恩恵もたくさん受けています。一人の一歩は小さいかもしれませんが、その一歩が誰かの大きな一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。自分にOKを出して、一緒に幸せな人生を送りましょう!