OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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SHIHOKO WATANABE

渡辺 志保子

39歳
会社員
大阪府出身
レズビアン

#009 2016年4月撮影

年齢的にも性格的にも自分を隠す事が面倒と感じるので、

大抵の友人や心を許せる人には恋人は女性だと言う事を伝えていましたし、

そういった私が居ることで少なくとも私の友人は同性愛や色々なセクシャリティについて、

普通で身近な物と感じてくれれば、それが私のささやかな活動かと自負していました。

幸せな事に同性愛者である事で友人関係に変化があった方は誰ひとり居ませんでした。

父を除いて。

でもそれはごく最近意外とあっけなく私の知らない間に理解を得られていました。

LGBT活動を表立って行っている方々について、私はあまり好意的ではありませんでした。

何をそんなにいきり立っているんだろう?普通にしていれば普通になるのに。

テレビやメディアで同性婚やパートナーシップ制度が取り上げられ、

トレンスジェンダーやゲイのタレントさんが活躍される様子を、

父は昔よりかは目にする事が増えたのでしょうか。

それは父の中の偏見を取り除いたと同時に、いつまでも独身でいる私と合致したのでしょう。

母に、志保子は女の子が好きなのか?

そう聞いたそうです。

カミングアウトをする前に既に感づいていた母は、

これはいいタイミングだと思い肯定し、

父は特に驚く事も無くあっさり納得したそうです。

その後実際両親に会った時は特にこの事は何も話しませんでした。

いつもと同じ他愛もない話と美味しいご飯を御馳走してくれただけで。

変わった事と言えば、お前早く結婚せぇよ。と言わなくなったくらいです。

そしてふと合点がいきました。

こういった表立った活動は、普通になる為なのかも。と。

私が想像していた物よりずっと大きな力なのだとやっと理解が出来たように感じます。