OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

SOU KANEKO

金子 壮

38歳
会社員
長崎県出身
ゲイ

#009 2016年4月撮影

小学生の頃、母から「アンタ将来ニューハーフになりなさいよ」と言ってきた。既に恋愛対象が女性ではないことには気づいていたけど、性別違和はあまり感じていなかった。女装をしたい訳でもない。

その違和感をうまく説明できないまま年月は過ぎていった。中高生の間は恋愛というものとは無縁で、同性とのカラダの関係が多少あったのみ。

高校卒業と同時に地元を離れた。

ゲイ雑誌を買ってみて「彼氏」という表記に違和感を覚えつつハッテン場を覚え、バーデビューも果たした。

明確なカミングアウトはその後、母親に伝えたのが最初かな。「恋愛対象は男の人だけど、女装もしないし手術も性別変更もしないよ」と。

あっそう。の返事で終わった。

父親にも言ったが、リアクションは薄かったと思う。のちに聞いた話だと「そのうち治るだろう」と母には言っていたらしい。

仕事関係は慎重で、あんまり言えてないかな。

男職場で着替えも宿直もある・・・ロッカー室や宿直室で何かがある訳もないのだけど、そんな心配をする人は何を言っても納得してくれないから・・・隠すのが簡単かな?と。

バレてから騒ぎになって面倒なことが起きる可能性もはらんでるけど、それは仕方ないかなと思う。隠している以上は。

プライベートはノンケさんとのつながりは少ないからあえて言わなくても、というよりゲイだから、またはゲイカップルだからつながった関係ばかり。

ご近所さんとは家庭内の内情を詳しく話すほどの仲にはなっていない。故に明確には伝えていないけど男2人暮らし、犬もいる、年齢差も微妙・・・バレてると思う。

どんな関係?と聞かれたら答えようと思う。職場も近所も。嘘はつかないけど聞かれるまで待つ。これが私のカミングアウトのスタイルかな。

「つぎの誰かの勇気あるカミングアウトに贈るエール」難しいなぁ。あんまり深く考えずに気楽に伝えてきたから。

「慌てない、無理しない、相手はよく選ぶ、アウティングにも気をつける」の5つが自分が気にしてきたこと。アウティングはされないようにすることもだけど、こちらがしないようにする事も。敢えて言わないことを選んでる人もいるから。