OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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HIROSHI MURAKAMI

村上 ひろし

31歳
ゲイ雑誌バディ 編集長
栃木県出身
ゲイ

#009 2016年4月撮影

物心ついた頃から同性が好きだった。

特別悩むこともなく、それを受け入れていた。

「普通」ではないけれども、

「普通」でなければならない、なんてことはない。

しかし、

それは「人に話してはいけない」こともわかっていた。

上 京してから、

ゲイ雑誌を刊行する出版社で働き始めた。

そこは素直に自分のセクシュアリティと向き合える場所だった。

人よりは恵まれた環境にある「自由」な発想は、

自分の人生は自分のものだから「自分らしく」という気持ちに変わり、

そこから家族にカミングアウトをするという経緯を辿った。

だけれど家族の理解は得られなかった。

宗教が大きく邪魔をした。

目の前にある家族という「絆」は「宗教」には勝てないと知らされた。

誰が悪いわけではないのはわかっているし、

初めて見る、泣く母親の辛さも目の当たりにした。

兄弟の理解はあった。しかし所帯を持つと、

「自分の人生だから好きにすればいい。

だけど、自分の家族を傷つけることになるなら、味方はしない」

とも言われた。

傷ついていないと言えば嘘になるが、

誰しもが家族を守りたいという気持ちを持つことは自然なことで、

自分が被害者だとは思っていない。

同性を好きってだけで、

こんなにも世界が違うんだなとは思うけどね。

まだまだ大小さまざまな壁にぶつかっていきながら、

僕らは人生を歩んでいく。

それでも自分はゲイで生まれてきて幸せだったと思うし、

生まれ変わってもゲイに生まれたいと願っている。