OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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SHIN YAMOCHI

矢持 信

40歳
飲食店経営
兵庫県出身
ゲイ

#009 2016年4月撮影

『カミングアウトしても親に負担をかけるだけだ。』

正直ら僕はずっとそう思っていました。

周りの友人や妹弟には自分がゲイだということを比較的簡単にカミングアウトできたのですが、親にはどうしてもすることができずにいました。

それはある日父親とテレビを見ていたときに、ゲイのドキュメンタリー番組をやっていてふと

「お父さん、もし僕がゲイだったらどうする?」と

質問した僕に

「勘当やな。」

そう父親が一言だけ返したのがずっと引っかかっていたからです。

僕がゲイだと知ったらこの人はきっと僕のことを嫌いになる。

勘当とはいかなくてもきっと関係が変わってしまう。

なにより何のメリットも生まないし、親の心に負担をかけてしまう。

そう思い続けていました。

けど、今回このアウトインジャパンのお話をいただいて、何となく『出てみたい』そう思いました。

そしてこんなにたくさんの人たちがカミングアウトしていること、みんなが幸せに前を向いていることを知りました。

そして僕は思いました。

『カミングアウトしよう。』

親の心の負担を考えなかったわけでも、あの日の父親の言葉を忘れたわけではありませんでしたが、それ以上に僕という人間をちゃんと見て欲しい、ちゃんと伝えたい、そう思いました。

意を決して父親に電話しました。

自分がゲイだと告げる僕に父親はただただ話を聞き、今まで聞いた父親の声の中でも1番あたたかく優しい声で『お前がちゃんと生きていけさえすればいい。』そう言ってくれました。

僕は涙が止まりませんでした。

あんなに怖かった父親へのカミングアウト。

したらきっともう会えなくなってしまうだろうとずっと思っていたカミングアウト。

けど、こんなにも父親との距離を縮めて、こんなにもあたたかくやさしい気持ちにしてくれました。

みんながみんなカミングアウトすればいいとは思いません。

実際負担をかけてしまうことだってあると思います。

けど、僕はこのアウトインジャパンがきっかけに親にカミングアウトできたことを本当に良かったと思っていますし、自分がゲイであること、そしてそれを受け入れてくれたことを誇りに思っています。

今は胸を張って言えます。

カミングアウト。

自分をもっと好きになるために。

そして自分の周りの人たちをもっともっと好きになるために。