KAZUYA AKASHI
明石 和也
50歳 |
アルバイト |
東京都出身 |
FTM |
#009 2016年4月撮影
30年前、ぼくが20代だった頃、情報を得るのはテレビだけ。
今みたいにネットでググれば何でも分かる時代では無かった。
女が女を好き=レズビアン
これが世の中の、世間の当り前だった。
30代後半以上の人達は、「自分自身が何者か分からない」まま、悩み、もがき苦しみながら生きてきた人もいました。
誰もが経験しているであろう「世間の風当たり」は、今からは想像を絶するくらい厳しかった。
親に勘当される人、男性と結婚を余儀なくされる人etc.
ぼく自身も男性との経験は有り、何回かセックスをするが違和感しか有りませんでした。
26才で初めて女性とセックスをした時、しっくり来て「やっぱり自分は女性が好きなんだ」と確信しました。
でも今みたいに「FTM」という言葉は無く、自問自答の日々。
性転換にしても、「自分には関係ない物」と思っていた。
12年前に特例法が出来た時、やっと自分が何者かが分かり、解放されたのを今でも覚えてます。
いまの若い方達は当り前の様に性別適合手術を受けています。
ガイドラインの大切さが分からず、ろくにカウンセリングも受けず、お金を出せば幾らでも意見書を作成してくれるクリニックへ行き、タイで性別適合手術を受けている人さえいます。
「自己責任だから」と言ってしまえばそれまでですが、自分をちゃんと知った上で、手術を受けて下さい。
性別適合手術は、流行でもアクセサリーでも有りません。
子宮と卵巣を摘出した時から、更年期との闘いです。
一部の若い方で手術から目覚めた時、更年期との闘いが始まっている人もいます。
それだけリスクが有る事を知って下さい。
あと先駆者の方々がいたから、今 苦労なく性別適合手術を受ける事が出きるのです。
一部の心なき若者が「FTMなのに、男と結婚をして子供を生んでキモい」と平気で口にします。
「あなた達に出来ない事を身を以て経験し、世の中に貢献してるのだ」という事を分かって下さい。
2011年に79才で性別適合手術を受けたMTFの方がいます。
その方と有る事がきっかけで話をする事が出来ました。
その方は「私はこの体験を持って、色んなMTFの方達に伝えていきたいと思ってます。
これは私達の使命だと思います。どうか明石さんも若いFTMの方達に、自分の体験してきた事を伝えて行って下さいね。」と言っていました。
若い者同士でつるむだけでなく、年上の方とも友達になり、色んな情報を交換できる間柄になれる様になって下さい。
いつかあなた方が40代50代になった時、若者とのコミュニケーションを楽しめる間柄になってる事を祈っています。