OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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KYOUNG SOOK KIM

金 敬淑 (左)

31歳
カフェ店員
東京都出身
バイセクシュアル

#009 2016年4月撮影

私はこれまで、恋愛の対象となるのは異性であり、それが当たり前だと思っていました。

パートナーと出会うまで、LGBTという言葉も知りませんでした。

これまでなんとなく違和感というか、何かが違う、足りないという感覚があったことは今思い起こしてみると色々ありましたが…

自分のセクシャリティをカテゴライズする場面で選ぶ言葉としてバイセクシャルを選びますが、それが一番当てはまっているのかなあ?どうかなあ?と今もって実はよくわかっていません。

なぜなら、明確な自覚(自分はこれだ!というもの)がないからです。

なにか一つで表現するのは難しく思えます。

パートナーと出会った時、私はどうしようもなく惹かれました。

そこには性別という概念は二の次でした。

ただただ好きな人と一緒にいたい、というとても単純なそれだけの事でした。

なので、わたしにとってのカミングアウトはもしかしたら非常に間の抜けたものだったかもしれません。

周囲が驚くのと同じくらい、自分がまず驚いているからです。

カミングアウトと同時に、自分も実はよくわからいんだけど、そういうことなんだよ!というような…。

もちろん、悩みました。

親に話すときは特に。

人に言うのも少し緊張します。

ただ、どんな反応があるにしろそれ以前に、誰かを好きでとても幸せで嬉しい自分を抑えることは無理でした。

そして、周りの人に言えば言うほど、私は元気でした。

当たり前のことをあたりまえに言う。

そんな普通のことがふつうにできたら、どんなにいいでしょう。

それを実現するのは周りの理解ももちろんですが、ささやかな幸せに気付いた、そうしたいと願う当事者の行動も大きく影響すると思います。

なんにも後ろめたいことはないし、恥ずかしくもない!

カミングアウトするということは、自分が楽で明るく笑っていられることとほとんど同意義でした。

誰もが、自分が自分らしくいられることを心から願いますし、応援します。

RYOKO IBE

井邊 亮子 (右)

27歳
会社員
神奈川県出身
FTX

#009 2016年4月撮影

『2回目のカミングアウト』

大学時代に母にカミングアウトをしました。その時は自分のアイデンティティもよくわからなくて、今後どうしたいのかもわからなくて、ただ抱えきれなくて、母に打ち明けました。

バスタオルを抱えて泣きながら話したあの晩は忘れられません。

完璧なる理解があったわけではないと思うけど、両親共に私の存在を肯定してくれて、何かあったら家族のところに帰ってきなさいと言ってもらえたことで、私は強く生きてこられました。

でもカミングアウト以降、両親と恋愛や結婚について深く突っ込んで話していません。

次に話をするときは、自分の考えがしっかりと固まった時と決めたからです。

今回このプロジェクトに一緒に参加した彼女は、これからの将来ずっと一緒にいたい相手です。

法律的にはまだ認められないかもしれないけれど、彼女と一緒ならどんな環境でも笑顔で楽しく生きていけると信じています。

正直、2回目のカミングアウトは不安ですが、「いま、幸せだよ!これからも幸せに生きていくよ!愛し方を教えてくれてありがとう!」という想いをこの写真とともにしっかりと伝えてきます。

最後になりますが、うまいカミングアウトなんてないと思います。

でも、カミングアウトをすることで何かが変わる。勇気を持って話をすることで、自分の中で小さな変化がおこる。その積み重ねで、いつのまにか自分自身強くなっている。いつのまにか周りの環境も変化している。

そんなもんなのかなぁ~と最近思います。

悩んだ分だけ未来は明るい。ともに「今」を一生懸命生きていきましょう。