MAKOTO HORI
堀 誠 (左)
56歳 |
会社員 |
東京都出身 |
ゲイ |
#009 2016年4月撮影
私たちは親子ほど年齢の離れたカップルです。年齢の差を除いたらどこにでもいる「普通のおじさんと若者」です。一緒に暮らし8月で6年になります。私はいま、心から愛せる人とともに暮らし人生を歩んでいける幸せに感謝しています。これからも2人で人生の最期の日まで過ごしていこうと思っています。
私は会社に勤め次の東京オリンピックの頃には定年を迎える年齢になって、なぜ姿を見せようと思ったのでしょうか?日本のどの会社にも、どこの町にも、波風を立てず、画一的な同調圧力にさらされ、姿を見せることができず、偽りの自分を演じ、自分を隠し、自分を裏切って、それでも必死に生きているLGBTがあなたのすぐ隣にいるのです。
私は次の世代への責任として女、子ども、男、人種、宗教、セクシュアリティーが等しく祝福され、愛される差別のない、自分が自分らしく生きることができる社会を実現していく責任があると思うからです。
憎悪、侮蔑、差別、格差、分断、孤立がいま世界中でどれほど多くの人を傷つけ、死に追いやっているでしょうか?しかしそれらは決して愛に勝つことはないのです。
このメッセージを読んで下さった方に
「小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なおまえたちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ。」
白樺派の小説家、有島武郎(1878年―1923年)の小説「小さき者へ」から
YUSUKE ABE
阿部 裕介 (右)
26歳 |
学生 |
新潟県出身 |
ゲイ |
#009 2016年4月撮影
パートナーと一緒に暮らして8月で6年になります。家族は私が男性と一緒に暮らしていること等は知っていますが、私と彼のセクシャリティに関する部分は知りません。
カミングアウトをするとなると、彼との関係についても打ち明けることになります。
ちなみに彼と母は同世代。私自身、歳の差を気にしたことはありません。しかし、ダブルでカミングアウトされる親の心情を慮ると、その点で打ち明けづらいのです。
それでも、自分に心を砕いてくれる家族や親しい友人には、嘘をつかずに正直でいたい、大切な彼との関係を認めてほしいという思いから、カミングアウトのタイミングを探していました。
そんななかで知ったOUT IN JAPAN。
この企画で彼らから黙示の承認を得られたら…くらいで臨んだものでしたが、撮影後には人生で初めてのカミングアウトを姉にしていました。
これまでのプロジェクト参加者の生き生きとした姿や、十人十色のカミングアウトの体験談とそこにかけた思いが、私に一歩を踏み出す後押しをしてくれました。
カミングアウトには自分と相手とのタイミングがあると思います。私も母に対してはもう少し先になるかなと、心強い味方となってくれた姉と話しているところです。
カミングアウトをしなくても人付き合いはできるし、今でも十分幸せかもしれません。それでもカミングアウトをしたいという思いは、今以上に輝く未来と幸せを掴みにいこうとしているのです。その気持ちを大切にしてください。人生一度きり、幸せは貪欲に掴みにいきましょう!笑