OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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MASANORI KASHIWAGI

柏木 正徳

26歳
ホテルマン
大阪府出身
ゲイ

#009 2016年4月撮影

私は恵まれていると思う。

 

はじめてのカミングアウトは中学時代、おそらく14の歳。

高校、大学、社会にでてからも仲の良い友人に、そして今年は家族に告白。

今では30名ほどが自分のことを理解してくれている。

 

カミングアウトは、私にとって崖から飛び降りるほど恐ろしいものだった。

「ゲイなんだったら友達ではいたくない」

「ゲイなんだったら信頼できない」

そんな、恐ろしい言葉を浴びせられるのではないかと、

ギリギリまで拳を握りしめながら、今まで私は告白してきた。

家族が受け入れて改めて味方だよと言ってくれた時は、心の底から安堵した。

 

恋愛に苦しみ、仕事も上手くいかず、自分の未来も見えないそんな時、

信頼を置ける上司に、カミングアウトをした。

ゲイだと知られれば扱いづらいと思われるかな。それなら、

そのまま仕事を辞めてしまうのもいいかもしれない…。そう思っていた。

しかし、その上司は違った。

「ゲイであることを同情の手段に使って、自分の価値を下げちゃだめだ。

まずこの場所で一人前になりなさい。見える景色がきっとあるから。」

気づけば互いに目を真っ赤にしていた。そして、私は目が覚めた。

 

確かに、異なる性的指向を持つ私たちは、生き辛いことも多い。

だけど、いつまでもその足枷を見せびらかしているようでは、

私もまわりも窮屈だろう。

まずは今いる場所で一人前になれるように、

社会の中で、一生懸命、日々を生きている。

 

「自分はゲイだ。だけど、そんなことは大した問題ではない!」

とみんなが笑顔でカミングアウトできるような明るい社会になることを祈っている。

 

私は恵まれていると思う。

捉え方次第で人生は変わると教えてもらったから。