OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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AKI WATANABE

渡邉 あき

32歳
大学事務
静岡県出身
FTX

#015 2018年5月撮影

自分の性別に関する違和感を口に出せなかったのは、誰からも嫌われたくなかったから。
家族、友達、先生、学校など..
みんな当然のごとく身体の性(女性)を前提として話を進めてくる。
ランドセルも制服も決められたものを身につけるのがすごく嫌だったし、屈辱的で恥ずかしかった。
「本当はこうしたい」と言い出せない自分の心は常に置いてけぼりだった。相手に合わせることさえできれば、特に問題なく過ごせてきた。

初めてカミングアウトしたのは、25歳の頃。家族や友人という近い存在でなく、九州から伊豆に絵の修行に来ていて知り合った同い年の女の子だった。
大粒の涙と共に初めてジェンダーの悩みを告白し、受け止めてもらえたその日の夜は、幸せすぎてもう死んでもいいとさえ思えた。今振り返ると大げさだけど 笑
苦しみからの解放は本当に癒された。
きっと一生忘れない。

その後も、家族や職場、友人関係で自分を偽り続けた。でも、この世にたった1人でも、自分にとって1番大切なことを知ってくれている存在がいるということが本当にありがたかった。

2013年、私は仕事を辞め、実家を出て上京した。たった一度きりの人生、後悔しないよう、本当の自分として、やりたいことをやって生きようと決めたから。
家族や親戚から猛反対を受けたけど、理由をうまくちゃんと説明できなかった。
距離を置いて後になってからやっと、自分の言葉で話すことができるようになった。自分がそのままの自分を受け入れた頃から、「誰かに理解されたい」という執着もなくなっていった。

最も大切なことは、そのままの自分を自分が1番に好きになることだと思います。そして、着たい服を着たり、堂々と好きなものや人を好きと言っていいと自分に許可を出すこと。「〜ねばならない」という思い込みから解放されて、自由に心地よく存在できたら幸せです。誰に合わせるでもない純度100%のあなたを、ぜひ世界と分かち合ってください。