OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

MANAMI KONOHANA

小乃花 まなみ

49歳
会社員
東京都出身
MTF

#015 2018年5月撮影

私が女の子の自分に気付いたのは、男子校に通っていた時でした。

その頃、何故か同級生に好きと告白されたり、やたらとモテた時があって(笑)自分の女性的な面を意識するようになったんです。

考えてみたら、子どもの頃から女の子遊びが好きで、何で私は女の子じゃないんだろうと思うことがありました。

そこで試しに、妹の服をこっそり着てみたんです。

ドキドキしながら鏡を見ると、そこに女子な私がいて…何か嬉しかったです。

その時、女の子の人格に目覚めたような気がします。

それから、時々着替えては、女の子の自分を楽しんでいました。

でも、しばらくして、家庭の事情で母親と別れ、自分で学費を稼いだりと、強く生きなければならなくなりました。

その時、私は「女の子の人格」を切り離して、心の奥底に封印してしまったんです。

自分は男なんだ、女じゃない!って。

それから、ずいぶんと長い時間が流れました。

社会人として勤めに出て、女性のパートナーとも巡り会いました。

ところが、ちょうど東日本大震災の時、親しい人の自殺や、私自身の突然の失業、病気が重なったんです。

これからどうやって生きよう…自分の人生をゼロから見つめ直す時でした。

その時ふと、心の奥底に閉じ込めた女の子のことを思い出したんです。

人生を後悔せず生きたいと思った時、もうこの子を認めてあげてもいいのかなって。

それからまた、女性の格好をするようになりました。

それがもう楽しくて、楽しくて。

女性として、やってみたい事に挑戦するうち、私の中の女の子がどんどん成長していって、大きな存在になって行きました。

そして、パートナーやお友達、会社のメンバーにも少しずつカミングアウトしていったんです。

もちろん勇気は必要だったけど、私自身を受容するプロセスがあったからこそ、カミングアウト出来たんだと思います。

私にとってのカミングアウトとは、私自身を認めて、解放してあげること。

心の中の女の子に、光を当てることなんです。