OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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TAKUYA HARASHIMA

原島 拓也

24歳
作曲家/パフォーマー
東京都出身
MTX

#015 2018年5月撮影

私のカミングアウトは、仰々しいイベントではありませんでした。最初は、スクールカウンセラーの先生と楽しく雑談している中で、「私は男性でも女性でもあって、男性でも女性でもないんです。」「私にとって、男性も女性も限りなく同性に近い異性です。」「今、男の子に恋をしてて、夜な夜なマフラーを編んでいます。」と、話して、そこで初めて「多様な性」という言葉を知りました。次に母親とショッピング中に、次にお友達と放課後の自習中に、自分のセクシャリティーを話しました。とても今更感満載でした(笑)既に母親も、お友達も、薄々気づいてくれていて、実は温かく見守られていたのでした。

心をおいてけぼりに、身体だけ日に日に男性になっていく不安、変声期で歌声が変わってしまったショックで、シクシク泣いてた時に、母親は、「あなたがある日、女の子になっていても驚かないよ。」「自分の生きたい性別で生きていけば良い。」と、言ってくれました。この先、身体や戸籍の性別をどうするかは、今も未定ですが、少なくとも、無理をして男性としてずっと生きていかなければならないという呪縛から解放された瞬間でした。
自分自身ずっと苦しみ、否定し続けてきたセクシャリティーを、肯定してもらえたことで、生きる張り合いを持てるようになったのです。

私は幸運なことに、カミングアウトによって何かを失った自覚が、今もありません。案外、あったとしても、取るに足らないものだったのかも知れません。

“自分の性別ぐらい、自分で決める。”

私はMtXだから、MtXであることが何よりも大切なのです。もう私は「男の出来損ない」でも「女の成り損ない」でもありません。「男」や「女」である以前に、1人の「人間」でありたいのです。

「デフォルト= ありのまま」そんな事ないと思います!本当の「自分らしさ」は、自分がなりたい自分でいること、自分がなりたい自分になろうとしていることだと思います。

人生は、二度と再演できない自分が主役の上演芸術です。どうか、自分の人生に於いて創造的であってください。