OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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FRASER SHAWN

フレイザー ショーン

32歳
会社員
愛知県出身
レズビアン

#015 2018年5月撮影

小さな頃から性別違和がありました。周りに自分のことを俺と呼ぶことはできても、好きな女の子がいることは隠していました。子ども心に「これはいけないことだ」という意識があったのです。でも、高校生になりジェンダー論という学問に出会ってからその考えは一変します。スカートは履きたくないけど、男性の体に変えたいわけでもない。好きになるのは女性ばかり。自分は一体なんなんだと悩んでいた私に、これが自分らしさで、自分はこのままでいいんだとジェンダー論が教えてくれました。
自分自身を肯定できるようになってすぐ、両親へカミングアウトしました。ふたりは「知ってたよ。あなたが幸せならそれでいいんだよ」と温かい言葉をかけてくれました。それからはどんどん友人やアルバイト先にカミングアウトをし、その後の学生時代は完全にセクシュアリティをオープンにしていました。

そんな私に立ちはだかったのは、就職活動。ありのままの姿で内定が出ず、セクシュアリティを隠して受けた一社目で内定が出たとき、人生で初めて強い差別を感じたのです。そこから4年間ほんとうの自分を隠して社会人生活を送りますが、その頃は人生で最も苦しかった期間でした。
日本で働くことに限界を感じた私は、日本を飛び出して海外で転職しました。新たな環境では再び、周りにカミングアウト。今はありのままの自分の姿で楽しく生活しています。日本支社にいる同僚にもカミングアウトしています。

クローゼットに出戻って、また出てみて強く感じることは、カミングアウトして生きることの素晴らしさです。昔の私のように、カミングアウトをしたくてもできない人は多いと思います。一人だけでもいいから信頼できる人にカミングアウトができるとぐっと気持ちが楽になります。絶対に、味方になってくれる人がいます。日本じゅうのクローゼットの扉が開くことを願ってやみません。