JIRO KAMEI
亀井 次郞
47歳 |
自営業 |
茨城県出身 |
ゲイ |
#015 2018年5月撮影
今回のOUT IN JAPAN は、思い出づくりにと軽い気持ちで応募することが出来ましたが、四半世紀以上前の自分には、全く考えられないことでした。
1990年の二十歳の誕生日に向けて、離れて暮らす両親へカミングアウトの手紙を書いたときは、
「これで親子の縁が失われてしまうんだ。天涯孤独が始まるんだ。」
と、悲しみとプレッシャーで体調を崩してしまい、数日間、通っていた学校を休んでしまったことがあります。
当時の自分にとってカミングアウトとは、それくらい重大なことで、決死の覚悟が必要だったのです。
現在の日本において、同性同士の婚姻が認められていないなど、LGBT 当事者としてまだまだ満足できるレベルではありませんが、その反面、非常に状況が変化したと感じることがあります。
それは一般の方々の理解が進んだということです。
自分自身、両親への手紙を皮切りに、親しくしている友人知人にゲイであることを伝えて来ましたが、近年はすんなりと受け入れられることが多いのです。
テレビなど、メディアで取り上げられる機会が増えたのはもちろん、バイアスの掛かっていない正しい情報を伝えるべく、様々な場面で懸命に努力されて来た方々のお陰でしょう。
これらのことにより、自分が最初にカミングアウトをした1990年に比べたら、LGBT を取り巻く環境は圧倒的に良くなっているのではないでしょうか。
もちろん全てのカミングアウトが受け入れられるとは限りませんが、LGBT としての人生を思い描くことが出来る時代になってきているはずです。
それにはカミングアウトする第一歩、つまり自分自身を受け入れる第一歩を踏み出すことが大切です。
そうすれば、自分自身の人生を大きく変えることが出来るでしょう。
最後に、過去から現在に至るまで、LGBT の地位向上に尽力された全ての方々に感謝します。