女優・西原さつきと出会った日が、私、畑島楓の誕生日。

女性として生きたいという願望と、男性として社会性をもった存在であるという矛盾。
女性に生まれ変わる日を信じ、情報収集やメイク・ファッションの勉強をする裏の私。
男子大学生として友人や先生、アルバイト先の上司に囲まれ充実してそうな生活を送る表の私。
いつか私の裏表がひっくり返る日が来るのを待っていた。

その葛藤を引き受け、「ありのままでいることが一番。あなたらしくないあなたを演じる必要なんてない。」と、西原さつきが私の背中を押した。

20年もの間、男らしく装い自分を表現することを拒んできた私が女性として生まれ変わり、女性として社会性を築き直していくのは容易ではなかった。
それでも私は裏表をひっくり返したし、そのことを後悔したことは一度もない。

カミングアウトって勇気が必要ですよね。私があなたの背中を押せますように。